事故物件の探し方・調べる方法を紹介!特徴・見分け方についても解説
目次
過去に事故や事件があった、いわゆる「いわくつき物件・事故物件」。事故物件だけは絶対避けたいという人もいれば、全く気にならない人、また賃料が安いことがメリットだと感じる人もいるでしょう。
避けたい人も、逆に探している人も、事故物件はどのように掲載されているのか、どんなポイントを確認すれば事故物件だとわかるのかを知っておくと、物件探しもスムーズです。
本記事では、事故物件の探し方や見分け方、もし知らずに事故物件に住んでいた場合はどうすればいいのかを解説します。
事故物件の探し方
事故物件の探し方には、以下のような方法があります。
- 不動産屋に直接聞いてみる
- 訳あり物件を専門に扱っている不動産会社で探す
- 賃貸サイトの条件検索で告知や瑕疵で検索する
- UR賃貸の特別募集住宅から選ぶ
- 大島てるの事故物件公示サイトで検索する
それぞれについて詳しく解説しましょう。
不動産屋に直接問い合わせをする
不動産屋に直接問い合わせて、事故物件について確認するのは、最も手っとり早く正確な方法です。
「事故物件や訳あり物件で検討しているのですが、紹介できる別件はありますか?」と、ストレートに聞ける場合は聞いてみましょう。もう少しオブラートに包んで伝えたい場合は、価格重視で探していることを伝え、相場より安めの金額を提示してみてください。
訳あり物件の買取・売却を専門とした不動産会社で探す
事故物件を抱えて困っているオーナーさんと事故物件や訳あり物件を探しているユーザーを繋げる、「訳あり物件の買取・売却を専門」とした不動産会社もあります。訳あり物件を検索したい場合は、以下のサイトを確認してみてください。
訳あり物件専門サイト
- 成仏不動産
訳あり物件の理由を7つに区分!購入検討しやすい買取・売却専門サイト - アウトレット不動産
東京・神奈川・千葉・埼玉中心の訳あり物件買取専門業者 - ハッピープランニング
サービス満足度No.1の事故物件・訳あり物件買取専門サイト - 訳あり物件買取専門サイト
関西中心の事故物件や訳あり物件買取専門サイト - ソクガイ.jp
全国対応のお困り不動産の即日買取ができる! - 事故物件全てお任せ窓口
事故物件の買取・リノベーション・売却のトータルサポート
賃貸サイトの条件検索で探す
事故物件を調べる方法として、賃貸サイトの条件検索で「告知」「瑕疵」と入れて検索する方法もあります。賃貸サイトでは、事故物件を掲載する際、備考欄に「告知事項あり」や「心理的瑕疵あり」などと表記されていることがほとんどです。
事故物件を調べる方法として、賃貸サイトの条件検索で「告知」「瑕疵」と入れて検索する方法もあります。賃貸サイトでは、事故物件を掲載する際、備考欄に「告知事項あり」や「心理的瑕疵あり」などと表記されていることがほとんどです。
告知事項あり:賃貸契約をする前に知らせておくべきことがあるという意味
心理的瑕疵:住むに当たって心理的な抵抗を感じること
(※物件の場合は、殺人や自殺など人の命に関わることや近所に指定暴力団が住んでいる、風俗街のすぐ隣、近所にクレーマーが住んでいるなども、過去の裁判例から該当する可能性があります。)
実際に「SUUMO」と「HOME’S」で、関東エリアに絞って「告知」と「瑕疵」で実際にキーワード検索してみました。
「告知」検索ヒット数 | 「瑕疵」検索ヒット数 | |
---|---|---|
SUUMO | 3,215件 | 114件 |
HOME’S | 1,480件 | 2,990件 |
調査日:2021年10月25日
「告知」で検索するとSUUMOの方が多くヒットしますが、「瑕疵」で検索するとHOME’Sの方が圧倒的に該当物件は多いです。
また、「いわくつき物件」、「訳あり物件」、「要注意物件」などと表記されていることもあるため、使用するサイトによってキーワードを変えて検索してみるといいでしょう。
UR賃貸住宅は特別募集住宅ページで調べる
UR賃貸住宅では、入居者が物件内で死亡した場合、「特別募集住宅」として賃貸に出されています。特別募集住居のページに掲載されている物件は、入居後1~2年の間は家賃が半額になります。
URの特別募集住宅はオンラインでの申し込みができず、店舗に行かなければなりません。
まずは、物件を探している地域のUR店舗を検索し、問い合わせましょう。
事故物件公示サイト「大島てる」で検索する
事故物件の情報をユーザー同士で投稿・共有できる、「大島てる物件公示サイト」で検索してみてもいいでしょう。手順は、サイトを開き、マップを拡大もしくは下部の検索窓に自分が調べたい地域の住所を入力するだけです。
マップ上の炎マークをクリックすると、事故のあった物件名や部屋番号、事件の時期や内容を詳しく確認できます。
「大島てる」さんとは
大島てる氏によって運営されている事故物件の情報提供ウェブサイト。事故物件のオーナーの事実隠蔽を防止し、入居者が正しい情報の元、安心して賃貸物件を選べるよう運営されている。
ただし、誰でも投稿できるため、100%正しい情報であるとはいえない点には注意が必要です。
事故物件の見分け方
事故物件の見分け方でポイントとなるのは、以下の点です。
- 家賃が地域相場より安くないか
- マンション名を変更した過去がないか
- 部屋の一部だけが不自然にリフォームされていないか
- 定期借家契約になっていないか
不動産会社に直接聞くと早いですが、早い段階に自分で判断したい場合は、上記のポイントをチェックするといいでしょう。必ずしも事故物件であるとは限りませんが、可能性は高いです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
地域の相場より大幅に家賃が安い
事故物件かどうかを見極める際には、地域の賃料相場と物件の賃料を比較するといいでしょう。賃貸相場は「全国の賃貸家賃相場」から確認できます。家賃が相場よりも明らかに安いケースは、訳あり物件・事故物件である可能性が高いです。
事故物件や訳あり物件であっても気にしない人もいますが、できれば避けたいという人もいます。そのため事故物件は次の入居者が見つかりにくいことも事実です。賃料を相場よりも安くすることで、価格重視で家を探している人の目に留まりやすくしています。
賃料は築年数や間取り、階数、駅からの距離などさまざまな要素から決まるため、できるだけ似た物件と比較しましょう。
事故物件は相場より2~3割安い
また、家賃を安くする以外に、「礼金なし」「敷金なし」「保証金なし」「更新料なし」など、初期費用を安く設定しているケースもあります。安い物件を見つけられてラッキー!ではなく、安くしている理由があるはずなので、必ず確認しましょう。
その他にも・・?!
- 保証人不要
- 外国人歓迎
- 水商売OK
などの記載がある場合、要確認!
マンション・アパート名が変わっている
大きな事件や特殊な事故の場合、メディアで報道されたりSNSによってマンション名が広く知れ渡ったりすることがあります。マンション名まで特定されてしまうと、物件のオーナーは収益の面で大きな影響を受けてしまいます。そのため、マンション名と事件がリンクしないよう、マンション名を変えてイメージをよくする事例は少なくありません。過去にマンション名・アパート名の変更があった物件の場合、事故物件である可能性があります。
<物件名の確認方法>
- 住所をGoogleマップで検索
- Googleのストリートビューと掲載写真で比較
- ほかの賃貸サイトに載っていないか確認する
- 現地に行ってみる
部屋の一部がリフォームされている
事故物件を賃貸に出す際、事故や事件によって損傷、汚れのある部分はリフォームするなどして回復させる必要があります。全面的にリフォームされているのであれば気になりませんが、不自然に1部屋だけ、一部分だけがリフォームされている場合は注意しましょう。
<事故物件に多いリフォーム箇所>
- 浴槽
- 一部の床、クロス
- 一つのドア
- キッチン
内見の際にしっかりと確認し、気になる点や不自然だと感じる点があれば、不動産会社に理由を確認するのが賢明です。ただし、オーナーさんの好意によりリフォームされているだけで、事故物件でない場合もあります。あくまでも一つの可能性であることは覚えておきましょう。
「定期借家」契約としている
定期借家としている場合、事故物件である可能性があります。
<定期借家とは>
同じ物件に住める期間が決められている賃貸借契約。契約の更新ができず、契約が終了したら借主は物件を明け渡す必要があります。
なぜなら、過去にとあるワンルームマンションで自殺があった後に入居者が一定期間生活していれば、告知義務はないとされた判例が過去にあったためです。従来までは告知義務はあるものの具体的な基準や期間については明確な基準がなかったため、不動産会社によって告知義務の解釈にバラつきがありました。
このような事態を受けて、2021年10月に国土交通省は告知義務に関するガイドラインを公開し、事故があってから概ね3年は告知しなければならないと方向づけました。法的な威力はないものの、裁判などではこのガイドラインが参考となるため、事故物件を「定期借家」として契約させるケースは減るでしょう。とはいえ、定期借家となっている場合は念のために事故物件の可能性を探っておくと安心です。
定期借家かどうかは、契約時に不動産会社もしくは仲介業者より説明があるはずですが、契約書に記載があるので必ず確認しましょう。
事故物件と知らずに入居した場合の対処法
事故物件と知らずに入居してしまった場合、場合によっては賠償金や契約解消を請求できることがあります。ただし、すでに説明した通り、告知義務に関して明確な基準が設けられていないため、必ずしも賠償請求ができるとは限りません。ケースバイケースで、裁判所が買主のさまざまな損害を考慮し、総合的に判断されます。
賃貸住宅の対処法
- 告知義務が生じる事件であるか確認
- 契約時に説明があったかを確認
- 不動産会社や仲介会社に相談
- 弁護士に相談
告知義務違反があったと判断された場合は、不動産会社の仲介手数料や、新居へ引っ越す際に必要な敷金・礼金・引っ越し費用などを請求できます。しかし、実際に入居して生活をした以上、賃料を全額返金してもらうことは難しいでしょう。
購入してしまった場合の対処法
- 告知義務が生じる事件であるか確認
- 契約時に説明があったかを確認
- 不動産会社や仲介会社に相談
- 弁護士に相談
事故物件と知らずに購入してしまった場合も、基本的な手順は同じです。購入した場合は賃貸とは異なり、告知義務の期間は長くなる傾向にあり、告知義務が生じる範囲も賃貸より広いと言えるでしょう。判断が難しい場合は、弁護士に相談するのも一つの方法です。
まとめ
事故物件は、告知義務こそあるものの扱い方は明確でなく、知らないうちに事故物件に住んでしまう可能性もあります。一方、事故物件を探している場合は、不動産会社に直接問い合わせたり、検索キーワードで絞り込んでサイト検索したりすることで見つけることが可能です。
事故物件に関する感じ方は人それぞれ。事故物件かどうか自分である程度判断できるようにしておくと、入居してから困ったという事態を避けられますし、事故物件でも構わないから費用を抑えたい場合も役立つでしょう。
大島てるさん監修