特集コラム Column

孤独死が起こりやすい物件はある?その特徴とは?

高齢化や核家族化の影響で、「孤独死」の増加が深刻化しています。孤独死とは、一人暮らしの高齢者や社会とのつながりが希薄な人が自宅で亡くなり、その死が長期間にわたって誰にも気づかれないことです。

 

「多死社会(※高齢化の後に死亡数が増加し、人口減少が加速する状況を指す社会問題)」と呼ばれるフェーズに入りつつある日本において、賃貸物件での孤独死は今後ますます増えると予想されています。

 

 

物件の資産価値が下がり、その後の入居状況やオーナーの収入にも影響を与えてしまう、入居者による孤独死。「なるべく起きてほしくない」と考えている不動産オーナーの方は多いのではないでしょうか。

 

この記事では、孤独死が起こりやすい物件の特徴とその原因、対策について、詳しく解説します。

日当たりが悪いなど、環境に物理的な問題がある物件

孤独死が起こりやすい物件の特徴のひとつに、「住環境の悪さ」が挙げられます。

 

部屋の環境が気分に影響するというのは、誰もが経験したことがあるでしょう。

特に、日当たりが悪い部屋や、通気性が悪く湿気がたまりやすい部屋に住んでいると、気分が落ち込みやすくなりますよね。

 

弊社が取り扱ってきた孤独死の現場では、部屋の日当たりや通気性が悪いなど、住環境に問題を抱える物件が多く見られました。その一例をご紹介します。

【実例】日当たりの悪い集合住宅の一室で起こった事件

(実際の現場)

昼間でも薄暗い共用廊下。夜間も電灯がつかない古いハイツの一室で、高齢の男性がお亡くなりになりました。

 

玄関先で亡くなり死後二週間で発見された故人には、同居中の息子さんがいました。ところが、息子さんはお父さまのご遺体を発見しても放置し、自宅を出入りしていたそうです。腐敗臭がきっかけで事件が発覚し、彼はその後、死体遺棄容疑で逮捕されました。

 

親子は貧困に陥っていたようで、二ヶ月に一度の故人の年金支給日に家賃を支払っていたそうです。

 

故人が一人暮らしだったなら、一般的な孤独死の状況になっていたでしょう。「遺体を放置する」という精神状態に息子さんが陥ってしまっていたため、事件化した事例でした。

年金受給の高齢者が多く入居している物件

年金受給の単身高齢者が多く入居している賃貸物件では、孤独死が発生しやすいと、公的に認められています。

 

内閣府の「平成22年版高齢社会白書」によれば、独立行政法人都市再生機構(通称:UR)が運営管理する賃貸住宅における孤独死の発生件数は、平成20年度で613件、うち426件が65歳以上です。

 

高齢になると身体能力や判断能力が衰えるため、高齢者の一人暮らしというだけで、若者よりも孤独死のリスクが高まります。さらに他の背景として、貧困や社会的孤立が関係していると弊社では考えます。

 

年金の受給額の低下や、金銭面で頼れる親族がいないことなどにより、体調が悪くなっても医療機関の受診をためらってしまう。そうして病を放置し、人知れず亡くなってしまう事例は少なくありません。

 

また、健康状態の悪化により外出が困難となった結果、他者との交流の機会がなくなり社会的に孤立してしまうことも、孤独死につながる要因とされています。

生活保護を受けている貧困層が多く入居している物件

入居条件が緩やかで、生活保護を受けている方でも賃貸契約を結べる低家賃の物件では、年齢に関係なく孤独死が発生しやすい傾向にあります。高齢者と同様に、若年層であっても貧困がゆえに社会的孤立を引き起こしやすいのが大きな原因です。

 

若年層~中年層の生活保護受給者の場合、病死や突然死が多い高齢者世帯と違って、自殺率が高いともいわれています。

 

厚生労働省によると、平成21年度の生活保護受給者の自殺者数は1045人で、うち413人が49歳以下と発表されています(※厚生労働省社会・援護局保護課「生活保護受給者の自殺者数について」)。

貧困が原因の自殺や孤独死は増加傾向にあり、解決すべき社会問題のひとつです。

【実例】ひきこもりがもたらした生活保護受給者の孤独死現場

(実際の現場)

弊社が担当した生活保護受給者の孤独死現場をご紹介します。

 

故人(享年40代・女性)は長年ひきこもり状態で、同居する高齢のお母さまの年金と生活保護で生計を立てていたそうです。お母さまがお亡くなりになった1年後に孤独死され、死後約3週間後に発見されました。死因はおそらく持病によるものです。

 

離れて暮らしていた遺族の方は、「彼女も大人だし、私が金銭面や生活を支援すると、それに甘えて社会復帰がさらに難しくなると思っていた」と悔やまれていました。

 

行政や民間などの適切な支援とつなげられていれば、防げたかもしれない事例です。

不動産関係者が行う孤独死を防ぐ取り組み例

入居者の孤独死を防ぐためにも、不動産オーナーは入居者の安否確認や定期的にコミュニケーションをとるなどの取り組みが求められます。

 

ここでは、孤独死防止策の実例についてご紹介します。

単身高齢者が入居しやすい「UR」が行う孤独死を防ぐ取り組み

高齢者が入居しやすい賃貸物件のひとつに、独立行政法人都市再生機構(通称:UR)が運営管理する賃貸住宅があります。公的な賃貸住宅であるURでは、家賃が安く敷金や礼金、更新料が不要。入居審査に際して年齢制限がなく、年金収入だけでも入居可能で、保証人も要りません。バリアフリーやエレベーターなどの設備も充実しており、高齢者にとって住みやすい環境といわれています。

 

そんなURでは、孤独死を防ぐためにさまざまな取り組みを行っています。以下はその一例です。

  • 入居者の安否確認や見守りを行うサービスの提供
  • 入居者同士の交流を促進するイベントやサークルの開催
  • 入居者の健康状態や生活環境に関する相談窓口の設置
  • 入居者のニーズに応じた福祉サービスの紹介や斡旋
  • 孤独死や孤立死が発生した場合の対応マニュアルの作成や研修の実施

これらの取り組みにより、URでは孤独死や孤立死の発生件数を減らすとともに、入居者の生活の質を向上させることを目指しています。

生活保護受給者を受け入れる物件オーナー・管理会社の取り組み

生活保護受給者を受け入れる不動産オーナーは、家賃の滞納や近隣トラブルがないかなどに注意し、必要ならば行政との連携を図ることも視野に入れましょう。

<実践例>

  • 部屋の電気やポスト(新聞を含む郵便物)の定期的な確認
  • 入居条件として、ヤクルト配達や新聞の配達を義務づける(=外部サービスを利用した見守り)
  • 冷蔵庫の開閉やトイレの使用回数が一日に一定数ないと、セキュリティー会社に自動的に通報するシステムの導入
  • 定期清掃業者や設備点検業者などによる安否確認サービスの利用
  • 市区町村の実施する見守りサービスの利用

また、「孤独死保険」というサービスの利用も、孤独死の予防や対策に役立ちます。

まとめ

貧困層や高齢者が入居しやすい低家賃の物件では、孤独死が起こりやすく、予防のための対策が求められます。

これから日本社会に訪れる「多死社会」の将来を受け入れたうえで、いかに”幸福な一生を遂げるか”。その議論の中には、「孤独死をいかにして防ぐか」も含まれています。

 

事故物件の買取を専門とするカンクリ不動産では、孤独死の増加に警鐘を鳴らすとともに、孤独死によって事故物件となった不動産の再生と活用に取り組んでいます。

 

所有する不動産で孤独死が発生してしまいお困りのオーナーさまは、ぜひ一度ご相談ください。事故物件の専門家が、問題解決に向けてサポートいたします。

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