事故物件に住むのは怖い?
やめるべき理由と安心して住むためにできること
目次
できるだけ安く部屋を借りたくて不動産会社に行ったら、事故物件を紹介された。
家賃は相場よりかなり安いけど、正直ちょっと怖い……
事故物件は賃料の安さは魅力的でも、「心霊現象が起きたらどうしよう」「自分にも何か悪いことが起こるんじゃないか」と、不安になってしまいますよね。
この記事では、過去に人が亡くなった事故物件(※心理的瑕疵物件)に住む際の注意点や、逆に“あえて住む人”がいる理由、そして少しでも安心して暮らすための対策を、できるだけわかりやすく解説していきます。
「事故物件に住むって、実際どうなんだろう?」「住んでも大丈夫なのかな?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
事故物件とは…過去に人の死があったことで心理的瑕疵(しんりてきかし)がある物件を、一般的に事故物件と呼んでいます。
下記の記事では事故物件や訳あり物件と言われる4つの瑕疵(かし)について、詳しく解説しています。
事故物件に住むのはやめた方がいい?デメリットやトラブル

事故物件に住むかどうかを考えるうえで、まず知っておきたいのが、“心の負担”や“住んでから起こりうる問題”です。
とくに殺人や自殺などがあった部屋では、その背景を知っているだけで気持ちが沈んでしまったり、落ち着かない日々を過ごすことになるかもしれません。また、「なんとなく怖い」といった漠然とした不安だけでなく、実際に生活する中で思わぬトラブルに悩まされる可能性もあります。
ここでは、事故物件に住んだ人が感じやすい不安や、具体的なトラブル例について詳しくご紹介します。
心霊現象が怖い
事故物件に住むいちばんのデメリットは、心霊現象に対する不安と、そこからくる精神面への悪影響です。
「幽霊が出そう」「運気が下がりそう」といった心理的な理由から、事故物件に住みたくないと感じる人は多いものです。目に見えないものだからこそ、不安を感じたり、入居をためらってしまうのは自然な反応といえます。
事故物件にまつわる体験談はインターネット上にも多く、「夜中に足音が聞こえた」「誰もいないのに玄関の電気が付いた」といったエピソードが投稿されています。
もちろん、すべての事故物件で不可解な現象が起きるとは限りませんが、「誰かが部屋で亡くなった」という事実そのものが、住人の精神面に影響を与えてしまうこともあります。繊細な人であれば、日常の小さな物音や光、温度変化などにも敏感になり、心が不安定になってしまうこともあるでしょう。
臭いや痕跡が残っている場合がある
事故物件に住むデメリットとして意外と見落とされがちなのが、臭いや痕跡による居心地の悪さです。リフォームされて見た目がきれいになっていても、実際に住み始めてから「なんとなく嫌な臭いがする」「床や壁の補修跡が気になる」と感じる人もいます。
事故物件の中でも、ご遺体が長期間放置された現場では、ほとんどの場合で特殊清掃がおこなわれています。とはいえ、作業が不十分な業者に依頼されていた場合、体液や腐敗臭が完全には取り除けていないことも。その場合、湿気がこもりやすい季節や換気不足の状態では、ふとした拍子に臭いが戻ってきてしまうこともあります。
周囲の目が気になる
事故物件で暮らす上では、「周囲の目が気になる」という点も見逃せません。
殺人や自殺、孤独死などがあったことが近所に知られている物件では、「あの部屋に新しく人が入った」とウワサされたり、好奇の目で見られたりする可能性も考えられます。
とくに地方や、近所付き合いが密な地域では、過去の出来事が地域住民の間で長く話題にされている場合もあります。たとえ何も言われなくても、「あの部屋って……」という周囲の空気を感じてしまうだけで、暮らしにくさや居心地の悪さを覚える人もいるでしょう。
不審者が来るなど犯罪に巻き込まれる危険がある
事故物件では、不法侵入が起きるリスクがあります。
ネット上に「この物件で過去に事件があった」といった情報が拡散されている場合、面白半分で住所を探し、現場を訪れる人が現れる可能性もあるのです。
実際、2000年に一家4人が殺害された「世田谷一家殺人事件」の現場では、2023年10月、高校生グループが肝試し目的で敷地内に侵入していたことが報道されました。
このように、過去の事件現場が「肝試しスポット」として扱われてしまう例もあり、とくにニュースで大きく報道された現場は、SNSや動画配信の影響もあり、興味本位で訪れる人が現れることがあります。その結果、不審者や無断で立ち入る人と遭遇するリスクが、一般的な物件よりも高くなる可能性があります。
また、「家の場所が知られている」という状況そのものが不安材料になる人も少なくないでしょう。
なぜ事故物件に住むの?
事故物件に住むデメリットや注意点を紹介してきましたが、実際には「それでも住んでみたい」と考える人も増えています。
では、なぜあえて事故物件を選ぶのでしょうか?
ここからは、事故物件に住むメリットや、選ばれる理由について解説していきます。
相場よりも安く住める
事故物件が選ばれる最大の理由は、家賃や購入価格が相場よりも安く設定されている点です。
一般的には、同じエリア・同じ間取りの通常物件と比べて、20〜30%ほど安くなることもあります。条件によっては、半額近い値段で借りられるケースも珍しくありません。
「とにかく家賃を抑えたい」「広い部屋に住みたい」といったニーズとマッチすれば、コストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。
ただし、契約初年度だけ安く設定されている物件もあり、更新時に家賃が元の相場に戻るケースもあります。
契約前には、割安な価格がいつまで適用されるのか、更新後の家賃はどうなるのかといった条件を、必ず確認しておきましょう。
リフォーム・リノベーション済み物件が多い
事故物件は「古くてボロボロ」「何か痕跡が残っていそう」といったイメージを持たれがちですが、実際にはリフォーム済みで見た目がきれいな部屋が多いです。
「なるべく新しい部屋に住みたいけれど、家賃は抑えたい」という人にとっては、事故物件は意外と掘り出し物かもしれません。
清潔感を重視する方は、内見時にリフォーム内容や仕上がりを確認し、納得できる環境かどうかをしっかりチェックしましょう。
霊感がないから気にならない
「自分は霊感がないから気にならない」と考え、事故物件に住む人もいます。
実際に、「事故物件に住んでも何も問題なかった」という声も多く、「むしろ静かで快適だった」と感じることもあるようです。
また、高齢の方の病死や老衰といった自然死があった物件は、自殺や殺人などの死亡と比べて心理的な抵抗は少ない傾向があります。
霊的なことを気にしないタイプの人であれば、価格や立地など他の条件を優先して、事故物件を前向きに検討してみましょう。
事故物件に安心して住むために事前にできること
事故物件に気になる点があっても、事前にきちんと情報を集めたり、準備をしておけば、安心して住める可能性もあります。
まずは以下のチェックリストを使って、「自分に向いているかどうか」「何が不安か」を確認してみましょう。
事故物件に住むかどうか判断するためのチェックリスト
事故物件に対する感じ方は人それぞれ。
自分の性格や価値観をふまえて、「住めるかどうか」を慎重に判断しましょう。
チェック項目を参考に、気になるポイントを内見や契約前にきちんと確認しておきましょう。
□ 心霊現象や「人の死」に対して強い抵抗感がある
□ 室内に臭いや違和感がある
□ 壁・床・設備の補修跡が気になる
□ 周辺の住民や地域の雰囲気に不安を感じる
□ 近所の視線が気になりそう
□ 防犯設備(オートロック、防犯カメラなど)は十分に設置されているか
□ 事故の内容・時期など、告知事項を正しく理解しているか
不安に感じる点が多ければ、契約を無理に進めず、いったん立ち止まって考えることも大切です。
事故物件の入居前にできる対策・工夫
チェックリストで気になる点があっても、契約前にしっかり備えておくことで、入居後の不安を減らせます。
ここでは、事故物件に住む前にできる具体的な対策や工夫をご紹介します。
情報を集める
事故物件への入居を考える際は、まず正確な情報を集めましょう。
告知事項としてどんな内容が記載されているのか(自殺か他殺か、自然死かなど)を確認するのはもちろん、直接現地を訪れて、周辺環境や近隣住民の雰囲気もできるだけ把握しておくと、安心感につながります。
SNSや不動産レビューサイト、地域掲示板などで「その物件やエリアに関するクチコミ」を調べてみるのも一つの手です。
気になるところが具体的に見えてくると、「自分が受け入れられるかどうか」を判断しやすくなります。
また、不動産会社にも、気になる点は質問しておきましょう。
引っかかる部分を曖昧にしたまま契約すると、入居後に「やっぱりムリだった」と後悔しかねません。
お祓いをする
事故物件への入居に少しでも不安を感じるなら、事前にお祓いをしておくのも、ひとつの方法です。
実際に霊的な現象があるかどうかは分からなくても、自分なりの“区切り”をつけることで、気持ちが軽くなるでしょう。
お祓いを神社やお寺に依頼する場合、費用は数千円〜数万円ほど。自分で塩やお香を使って簡単にお清めをする人もいます。
少し手間をかけておくことで、新しい暮らしを前向きにスタートできるはずです。
物件や周辺環境の安全をチェックする
事故物件への入居を検討する際は、室内の状態だけでなく、防犯面や周囲の治安にも目を向けておきましょう。
とくに他殺があった物件では、「侵入されやすい部屋だった」「共用部の防犯対策が不十分だった」といった背景がある可能性もあります。
オートロックの有無や死角の多さ、防犯カメラの設置状況など、基本的な防犯設備は必ず確認しておきたいポイントです。
また、「夜間でも周辺が明るいか」「人通りがあるか」など、物件の外に出たときに安心できるかどうかも、判断の大きな材料になります。
いくら室内が整っていても、周囲の環境に不安があると、落ち着いて暮らすのは難しくなります。
事故物件の内見時には、室内だけでなく建物まわりや周辺の雰囲気もあわせて、しっかりチェックしておきましょう。
契約の条件を確認する
事故物件を借りる際は、契約内容にも注意を払いましょう。
たとえば、定期借家契約になっている場合、期間満了後に更新できない可能性があります。
また、「〇年以内に解約すると違約金が発生する」といった条件が設定されていることもあるため、家賃の安さだけで飛びつくと、かえって損をしてしまうかもしれません。
契約内容は、不動産会社があらかじめ明記しているものだけでなく、「聞かないと教えてくれない」ような項目もあります。
気になる点があれば、遠慮せずに細かく確認しておくことが、安心して住むための第一歩です。
近隣住民との関係構築
事故物件に限らず、安心して住むためには近隣住民との関係も大切です。
引っ越し時に軽く挨拶をしておく、近所の人とすれ違ったら会釈する。そんなささやかな接点が、不必要な警戒心をやわらげ、暮らしやすさにつながることもあります。
また、「何かあったら相談できそうな人が近くにいる」という安心感は、心理的にも大きな支えになります。
事故物件だからと構えすぎず、ご近所づきあいを心がけるだけでも、暮らしやすさはずいぶん違ってくるはずです。
告知義務違反については下記の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】
【判例あり】事故物件の告知義務に違反するとどうなる?バレた場合のリスク
事故物件に住むかどうかは慎重に判断しよう
事故物件には、家賃の安さやリフォーム済みの綺麗さなど、魅力的な面もあります。
一方で、心霊現象に対する不安や近隣からの視線、契約条件や防犯面など、気をつけるべきポイントが多いのも事実です。
大切なのは、「自分が何をどこまで受け入れられるか」をきちんと見極めたうえで判断すること。
情報を集め、必要な対策を講じれば、事故物件でも落ち着いて住めるでしょう。
不安があるときは、不動産会社に率直に相談してみましょう。経験豊富な業者であれば、事情をふまえて丁寧に対応してくれるはずです。
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安さに魅力を感じて事故物件を購入したものの、住んでみると、「やはり気持ちの面で難しかった」「周囲の目が気になる」といった理由で手放したくなるケースもあります。
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